いろはのおもい

はじめまして。
inclusive design 彩榮(いろは)の大西です。

私は現在、杖をついて生活をしています。
検査では全く異常が見つからないのに、原因不明の激しい痛みが全身に生じる難治性の病気「線維筋痛症(せんいきんつうしょう)」によるもので、現在も治療法は確立されていません。
障害や病気の有無に関わらず、誰もが「自分らしい暮らし」を手に入れることのできる「インクルーシブ」の思想を、空間づくりにも取り入れたい。
建築設計という仕事に携わりながら、そのような想いが日に日に強くなっていったのは、この病気がきっかけです。

岡山市内の建築設計事務所に勤める傍ら『すべてのひとが「自由」でいられる「空間」を』というコンセプトのもと、障害や病気を抱えた方に向けた空間づくりを行う新たな事業を、2022年2月に立ち上げました。

線維筋痛症の症状は人それぞれのようですが、痛みの度合いとしては、ガン末期のものと同様とも言われます。
私自身も、投薬では痛みを和らげることが難しく、月に2度、全身の約20箇所に局所麻酔を打って何とか凌いでいます。
しかし、根本治療ではないため、日常生活を送るためには「痛みのコントロール」であるこの処置を受け続けなければなりません。

普段の生活もままならないほどの激しい痛みが生じる病気ですが、難病の指定はなく、障害者手帳などの取得も難しいため、公的な支援はほぼ受けられない状況です。
一方では、見た目は健康な方とほとんど変わらないため、「病気」であることについて周囲の理解を得ることが難しく、それが時に「こころの痛み」となって突き刺さります。

しかし、この「こころ」と「からだ」に痛みを抱えているのは、私だけではなく、線維筋痛症の患者だけでもありません。
世の中には、障害や病気、身体の衰えなどによってつらい思いをしている方がたくさんいる。
そのことに気づいたとき、私は建築設計という仕事を通して、何かやるべきことがあるのではないかと自問自答しました。
そして、出した答えが「快適な住空間をデザインして社会に提案すること」でした。

自宅での生活にストレスを感じることなく、自分らしい暮らしを送ることは、障害や病気の有無に関わらず、すべての人に当然にあるべき権利だと考えます。

日常生活に「不自由」を感じている方も、「ガマン」が当たり前になっている方も、その時々のあなたにとって一番の「快適」がそばにある。
そんな「安心」をお届けしたい。

 inclusive design 彩榮(いろは)は、これまでになかった「福祉」の観点から空間づくりを考え、分け隔てのない共生社会の実現を目指してまいります。

トップへ戻る